頼まれごとを断るのが苦手ですか?
自分を大切にすることができない方は、他者を気遣いすぎて頼まれごとを断るのが苦手ではないでしょうか?
意外に思われるかもしれませんがそれは
自分を大切にしていないことだけにとどまらず
他者のこともに大切にしていないことに通じます。
他者を大切にできるとは、他者には他者の考えややり方があることを理解し、尊重することです。
たとえ自分とは真逆な意見であっても「あなたはそういう考えだということを理解しました」とOKができることなのです。
どちらかの意見に決める必要はない
愛着障害のある方は他者と自分との境界線があいまいな場合が多く、
相手の考え方にOKを出してしまうと、自分もその考え方に同調しなければならないと感じるようです。
そういう方は、
頼まれごとをされたときに表面的にOKしたばかりに
「ああ、本当は嫌だったのに」と後悔をしたり
そのことを引きずってストレスを溜め込んだりすることでしょう。
かと言ってがんばって断ったとしても、その時の相手の態度が気になりますね。
残念そうな顔をしていたら自分はいけないことをしたような気持ちになったり、
やっぱり断らなければ良かったと不安になったり後悔をしたり
あるいは自分の考えを否定されたように感じるかもしれません。
そんなことを続けていくうちに
どうしても断らなければいけない事態が起こると、言う前からドキドキして平常心では断ることができず威信をかけての戦闘モードになってしまったりするかもしれません。
自分を犠牲にすることとは違う
よく誤解されるのですが、他者を大切にすることは、自分を犠牲にして相手に合わせることとは違います。愛着障害のある方は自分を犠牲にして他者に尽くす方が多いように思います。
そしてそうなることが辛くて、人付き合いが苦手になったりもします。
でもそれは本当の意味で、相手のことも自分のことも大切に扱っていない姿なのです。
例をあげてみましょう。
職場でAさんからシフトを代わってくださいと頼まれた場合。
あなたは代わりたくないと思っているとしましょう。でも・・・断ることが苦手なのでOKしますが、心の中は穏やかではありません。
無理をして代わっているので
「Aさんてわがまま!いつもああやって頼み事をしてくる。」
「私はいつも代わってあげている。」
とAさんにたくさん貸しを作ったような気持ちになるかもしれません。
あるいは
自分はいつも貧乏くじを引く
Aさんはいつも楽しそう…
と自分を悲しいものとして仕立て上げていくかもしれません。
相手には相手の考えと成り行きがある
Aさんはもしかしたら気軽な気持ちで頼んだだけかもしれません。
たまたま、行きつけのお店のセールがあるとか、
歯医者のついでにカフェに行こうと思い立ったとか。
あなたに断られても「あ、そう」程度の用事かもしれないのです。
当然、あなたが無理をして万象繰り合わせて代わってくれているなんてAさんは露ほども感じていません。
Aさんはそういう性格の人、あなたはそうではない人、それだけのことだったりするのです。
あなたがAさんに合わせる必要はないし、Aさんはそういう頼み方を止めなければいけないわけでもないのです。
こんなふうにAさんはそういう人、と認めることが他者を大切にすることに通じていき、
その上で自分は嫌なら断る勇気を持つことが自分を大切にすることになっていくのです。
I’m OK. You’re OK.
常日頃、相手に合わせすぎていると感じる方はぜひ
・必要以上に相手を気遣わない
・少なくても自分を犠牲にしてまではしない
・後からストレスになるならしない
ことが大事でしょう。
そしてI’m OK. You’re OK.を目指しましょう。
問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。
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