子どもの頃から「ちゃんとしなさい」と言われたことは多いのではないでしょうか。
ここでは、「ちゃんとしなければ」と思うことが自分を窮屈にしてしまう理由について説明し、少しでも日々のストレスを減らせるよう考えていきます。
ちゃんとしなさい
「ちゃんとしなければ」という考えは、特に日本社会において多くの人々が抱えるプレッシャーの一つです。
筆者が参加する様々な研修には外国人の方もいらっしゃいますが、彼らは「ちゃんとしていない」ことが多く、見ていて楽しい気持ちになります。
例えば、テーブルの上に足を乗せる、研修中にあぐらをかく、当てられなくても自由に発言するなどです。
彼らの行動を見ると、「あれでいいんだ」と教えられることが多いのです。
そう感じる感覚はあるのにできないのはなぜなのか考えてみると、「ちゃんとする」が身についてしまっていて簡単には変えられない自分に気づきます。
ちゃんとすることの効用もある
「ちゃんとする」という考えは、責任感や規律を重んじる文化の中で育まれるものであり、確かに一定の秩序や成果を保つためには重要です。
日本人が大きな災害の際に整然と並んで物資を受け取る姿に、外国の方たちは驚いていました。
それにより大きな暴動は避けられたのです。
しかし、この考えが日常的に過度になると、次のような問題が生じます。
完璧主義に陥る可能性
「ちゃんとしなければ」という考えが強すぎると、何事も完璧にこなさなければならないというプレッシャーを自らに課してしまいます。
結果として、自己評価を厳しくしすぎ、小さな失敗やミスが自己否定に繋がり、自信を喪失してしまうことがあります。
この状態がさらに進むと、やる前から体が凍りついてしまい、できることもできなくなることもあるのです。
これは極度に本番に弱い方などが該当するかもしれません。
筆者は会社勤めをしていた頃、皆の前でお手本を示すデモの際にこのプレッシャーにより周囲を失望させた苦い経験があります。笑
自己表現の抑制に繋がる
「ちゃんとしなければ」という考えが強いと、自分の感情や意見を表現することが難しくなります。
常に他人の期待や社会の規範に合わせることを優先するため、自分の本当の気持ちや考えを抑え込んでしまうのです。
これにより、精神的なストレスやフラストレーションが蓄積し、最終的にはバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こす可能性があります。
人間関係にも悪影響を及ぼす
「ちゃんとしなければ」という思いから他人にも同じ基準を求めるようになると、他人に対しても厳しくなりがちです。
これが原因で、他人を批判するようになったり、逆に他人から避けられるようになったりすることがあります。
心理学では「投影」と言いますが、自分が押さえ込んでいる本来の感情を相手に映し出してしまう現象があります。
例えば、前述の外国の方の例のように、当てられてもいないのに意見を言うような人を見た場合、「なんて非常識なんだろう」と腹が立つことがありませんか?
これは、自由に発言したいという自分の気持ちを押さえ込んでいるフラストレーションにより、それを無意識的に相手に映し出している姿です。
結果的に、人間関係がギクシャクし、孤立感を感じることも少なくありません。
ちゃんとしないことを意識しよう
これらの問題を避けるためには、「ちゃんとしなければ」という考えを緩めることが重要です。
もちろん、日本人としての良さでもある責任感や規律を持つことは大切ですが、自分自身を過度に縛るのではなく、適度な柔軟性を持つことが求められます。
いかがでしょうか?自分を窮屈にするのではなく、柔軟な考え方を持ち、自分自身を大切にすることで、より豊かな人生を築いていくことができるといいですね。
問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。