「泣きたくないのに涙が止まらない」そんな悩みを抱えていませんか?
感情が抑えられないのは、単なる性格の問題ではなく、心や体の深い部分に原因があるかもしれません。
ここでは、その背景にある「未消化のトラウマ」とは何か、そして新しいケア方法であるSE™療法について詳しくご紹介します。
大人になってから「泣く」のはどんな時でしょうか?
悲しい映画を観た時、恋人との別れ、努力が報われず悔しい思いをした時、ご家族の不幸など、涙を誘う場面はさまざまです。
また、挑戦の成功や合格の喜び、家族の誕生や病気の回復といった「嬉し涙」もありますね。
しかし、これらのわかりやすい涙とは別に、不意に涙がこぼれる経験をしたことはないでしょうか?
理由もなく涙が出る……そんな状況が思い当たる方もいるかもしれません。例えば、メンタルが落ち込んでいる時や、うつ病への移行期などでよく見られる現象です。
特に多いケース
自分の意見を述べようとしたり、相手の理不尽な行為に対して反論しようとしたりする場面で、話し始めると感情が高ぶって涙が出てしまうこと。
このような状況で泣いてしまうと、自分の主張は伝わりにくくなり、周囲を驚かせてしまい、結果として悔しい思いをすることがあります。
実際、私の元に来られるクライエントさんの中にも、「泣いてしまうせいで話し合いがうまくいかないんです」と悩みを訴える方が少なくありません。
それでは、こうした状況では、心や体の中で何が起きているのでしょうか?
「泣きたくないのに涙が出る」原因とは?
「今は泣く場面ではない」と頭でわかっていても、
感情が込み上げてきて止まらない―この原因の一つが「未消化のトラウマ」です。
ここで言うトラウマとは、大きな地震や交通事故のような単発的な出来事だけではありません。
日常生活の中で繰り返し蓄積された「複雑性のトラウマ」が、神経系に未解決のまま残っていることが影響しているのです。
未消化のトラウマ
そして、この未消化のトラウマは、神経系が「同じようなシチュエーション」と感じた時に反応として表れます。
ただし、ここで言う「同じシチュエーション」とは、客観的な場面そのものではなく、神経系が主観的に感じ取った似た状況のことを指します。
たとえば、以下のようなやり取りを日常的に経験していたとしましょう。
– (あなた)「この服が欲しい」
– (母親)「こっちにしなさい」
– (あなた)「ダンス教室に通いたい」
– (母親)「英語塾にしなさい」
このように、自分の意見が親の指示で押し込められる経験を繰り返すと、意見を言う場面で「抑圧された悲しい感情」が自動的に伴うようになります。
これらの感情は頭で理解するものではなく、体―特に神経系に蓄積された「トラウマ反応」として現れるのです。
SE™療法によるアプローチ
こうした神経系に滞ったトラウマのケアを可能にするのが、SE™療法(ソマティック・エクスペリエンシング療法)です。
従来のトークセラピーでは、感情やトラウマを解消するために時間がかかることが多く、エピソードごとに向き合う必要がありました。
しかし、SE™療法では体に蓄積された反応そのものにアプローチするため、トラウマの再体験を伴わずにケアが可能です。
もし「大事な場面ですぐに泣いてしまう」という悩みをお持ちでしたら、一度SE™療法を試してみてはいかがでしょうか。
新たな一歩を踏み出すきっかけとなるかもしれません。
問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。
こちらの愛着障害の他の記事もぜひどうぞ
自分を大切にすることと愛着障害の影響
繊細な心のセンサー
愛着障害 形成の失敗はどのようにして起こるのでしょうか?
子どもにイライラするのは『赤ちゃん部屋のおばけ』が関係している?
愛着障害ー自分を大切にできない人ー他者を気遣いすぎる
愛着障害ゆえの生きづらさに気がつくこと
親子の役割逆転で育ったことに気がつきましょう
過去は変えられるのか?変える方法があるとしたら…
愛着障害ー自分を大切にすることができない
大人の愛着障害の成り立ち
愛着障害ーいつも自分を責めてしまうー
幼少期の経験と健康への影響:ACEから見る心身の関係
自分を大切にするーうちなる声との戦いー