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「発達障害かもしれない」と感じたときに ― 愛着とトラウマという視点①

トラウマ

【 本記事は全3回の連載です 】

近年、「発達障害」という言葉は広く知られるようになりました。当カウンセリングルームにお越しになる方の中にも、「自分はADHDかもしれない」「家族がASDではないか」と話される方が増えています。
しかし、その一方で、まだ十分に知られていない重要な視点があります。
それが「発達性トラウマ」や「複雑性PTSD」、そして「愛着の問題」です。

臨床現場で浮上している課題

発達障害という概念は、近年かなり一般に浸透してきました。筆者が心理学を学んでいた10数年前と比べると、その認知度は格段に高まったと感じます。

しかし、その一方で新たな懸念も生じています。

単回性PTSDと複雑性PTSD

PTSDには、大きな地震や交通事故、災害、暴力被害など、強烈な出来事を一度体験することで発症する可能性がある「単回性PTSD」があります。多くの方がイメージするPTSDはこちらでしょう。

一方で、より見えにくく、気づかれにくいPTSDが存在します。それは本人がはっきりと「トラウマ」と自覚しにくい程度のストレスが、日常の中で長期間にわたって積み重なることで形成される「複雑性PTSD」です。

こちらは慢性的で、回復までに時間を要するケースが多く、予後が比較的悪いとする研究も少なくありません。

さらに「複雑性PTSD」と関連する概念として、「逆境的小児期体験(ACE)」や「発達性トラウマ」「愛着の問題」と呼ばれるものがあります。これらはいずれも、まだ一般にはほとんど知られていませんが、その症状はADHDやASDといった発達障害の特徴と非常によく似ています。

実際のところ、専門の医師であっても両者を明確に見分けることは容易ではありません。

「発達障害かも?」と思って受診をした場合

たとえば、子どもが「落ち着きがない」「衝動的である」と学校から指摘され、小児科を受診したとします。

行動面の症状だけを見れば、発達障害が疑われるのは自然な流れでしょう。

仮にその家庭で、日常的に強い叱責や過度に厳しいしつけが行われていたとしても、それが診断上重要な情報であるとは多くの場合認識されず、問診で詳しく語られることは少ないものです。

その結果、「発達障害のグレーゾーン」という診断が下される可能性は十分にあります。

発達障害としてのケアを開始してしまう

診断を受けた親御さんは、何とか子どもを助けたい一心で療育機関に通わせたり、場合によっては服薬を検討したりするでしょう。
しかし本来の背景が「発達性トラウマ」「複雑性PTSD」「愛着の問題」であった場合、必ずしも薬物療法や療育が最適とは限りません。

結果として、飲まなくてもよい薬を服用したり、通わなくてもよい支援機関に通い続けたりすることが起こり得るのです。

症状が軽く見えても、苦しさは消えない

「発達性トラウマ」「複雑性PTSD」「愛着の問題」の症状には、恐怖感や不安感、孤独感、自己評価の低下、対人関係の困難さ、自信のなさ、自己否定感、感情コントロールの難しさなどが含まれます。

たとえこれらの症状が一部しか当てはまらなかったとしても、本人の苦しさが軽いわけではありません。

そのような状態で発達障害のチェックリストを行うと、多くの項目に該当してしまうことがあります。その結果、「自分は発達障害なのではないか」と自己診断に至るケースも少なくありません。

では、「発達性トラウマ」「複雑性PTSD」「愛着の問題」はどのような環境や関係性の中で生まれるのでしょうか。
次回は、「一見すると問題のない家庭」に潜むリスクについて考えていきます。

※全3回シリーズ続きはこちら

問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。

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