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愛着障害―内なる批判者の影―

愛着障害

自らに対し
“またダメだったの?”
“自惚れるな”
“ぐうたらだ”

といった言葉を常に投げかける方がいます。

もしかすると、その方は「内なる批判者」と共存しているかもしれません。
このような批判が続くと、生きるエネルギーが枯れてしまう可能性があります。

そこで、その存在に気づき、元気を取り戻すための方法を模索してみましょう。

『複雑性PTSD』生き残ることから生き抜くことへ ピート・ウォーカー著 星和書店

最近手に取った一冊の本は秀逸で個人的に感銘を受け、ついつい読み進むのが難しくなり、つまりなかなか先に進めない状態に笑ってしまいます。

そして、感じる部分が多すぎて付箋やマーカーで指し示されたページが目立ちます。

まだ読み終わっていないこの本には、私がカウンセリングでクライエントにお伝えしている概念が既に含まれています。

それは、複雑性PTSDや愛着障害を抱える方々が、自身の内に「内なる批判者」を抱えているということです。

“内なる批判者”とは一体なんでしょうか?

それは、日常生活の中で自らを責めることが頻繁に起こり、しかも本人がそのことに気付いていない状態のことを指します。

例えば、嬉しい出来事があっても

「それで何?」
「普通のことだ」

と喜びを感じることができない、
誰かに褒められても「自分なんか」と卑下してしまう、
仕事で優れた成果を挙げても「まだまだだ」と自らを追い詰めるなど、これらの言動が日常的に現れるということです。

もしそういった言葉が自然に出てくるならば、それは実は”内なる批判者”の存在であると言えるでしょう。

なぜ「内なる批判者」が生まれてしまうのでしょうか?

それは、愛着障害や複雑性PTSDの後遺症の一つと考えられます。

通常、親子関係においては親が子供の感情を受け入れ、大切に扱ってくれることで、子供は自分が信頼できる存在であり、大切にされると学びます。

しかし、逆に泣いても叱られたり
「弱虫」と罵られるなどの経験をすると、子供は世界が敵意に満ちていると感じるようになります。

その結果、自分を徹底的にチェックし、完璧になることで他人からの叱責を避けようとする”内なる批判者”が生まれるのです。

“内なる批判者”によって生活が常に監視され、時には批判され、喜びさえも冷たい目で見られると、人は感情を抑制し、自信を持てなくなり、ダメ出しの癖がついてしまいます。

そして、他人の善意さえも疑うようになります。

このような状況によって、一人でいることの方が安心できると感じるようになります。

「内なる批判者」がいるとどうなるの?

これらを改善し自信を取り戻すためには、まず”内なる批判者”の存在に気付くことが重要です。

気付いたら、次にその考えが自分自身のものではなく、別の存在として分けていきましょう。

「内なる批判者」は悪者ではない

ただし、”内なる批判者”は過去の辛い体験から生まれたものであり、自己保護のために必要だった存在でもあります。

ですが、今ではもうそのようなチェック機能に縛られる必要はないのです。

少しずつ手放して、解放された自分を楽しんでみましょう。

問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。

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