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幼少期の経験と健康への影響:ACEから見る心身の関係

◇心の悩み

ACE(Adverse Childhood Experiences)という言葉をご存知ですか?
日本語では逆境的小児期体験と訳されています。

厚生労働省のHPによれば、これは小児期における虐待や機能不全家族との生活による困難な経験を指します。

この概念は成人期以降の心身の健康に影響を及ぼすことが疫学的に示され、現在ではACE研究として一般に広く知られています。

逆境体験の実態と認識のギャップ

クライエントさんに
「小児期につらい経験はありますか?」
と尋ねると、
「私にはそんなに大きな逆境はないです」
と即答されたり、
「虐待なんてひどいことは経験していませんよ」
という答えが返ってくることがあります。

その一方で、「親は私のために頑張ってくれました」「私に向けて助言してくれました」「感謝しています」という言葉がよく出てきます。

社会的認識とのギャップもある

社会的な視点から見れば、それは当然のことかもしれません。
しかし、実際には、親のささいな言葉や態度、あるいは思考の影響によって、クライエントさんが生きづらさを感じることがあります。

これは、「虐待」という言葉から想像されるものと、心理学の概念との間にかなりのギャップがあるためかもしれません。
たとえば、児童相談所が虐待の報告を受けた場合、実際に保護されるのは、命に関わる危険や明確な身体的虐待、ネグレクト、性的虐待がある場合に限られます。

親からの繰り返される屈辱的な言葉があったとしても、児童相談所が保護に乗り出すことはまずありません。

しかし、このような言葉を日常的に浴び続けた子どもは、自信がなく、口数が少なく、不安定で、自分の意見を述べにくいという症状が現れることがあります。

心理学者は、こうした親の養育態度が精神的虐待に近いと見なしています。

ACE’逆境的小児期体験)の重要性と影響

この概念を説明するために役立つのが、先ほど紹介したACEです。
ACEの研究は、アメリカの医師であるフェリッティによって開始されました。

彼は、10の要素からなるACEスコアを考案し、これを基に大規模なアンケート調査を実施しました。

その結果、ACEスコアが高いほど成人後の健康リスクが高まることが明らかになりました。
具体的な疾患としては、心臓疾患、肺疾患、糖尿病、頭痛、多発性硬化症、紅斑性狼瘡、肥満などが挙げられます。

フェリッティの指摘:子供時代の心の傷と成人後の身体疾患

フェリッティは、「子ども時代の心の傷が成人後の身体疾患につながる」と述べています。

つまり、子ども時代の心の負担が数十年後に身体的な疾患として現れる可能性があるということです。彼が分析した18,000件以上の調査結果によれば、身体的虐待と性的虐待の影響には大きな差異はなく、親から繰り返し屈辱を受けた場合、影響が増す傾向にあります。

言葉の暴力の方がより大きな影響を与えるのです。

ローラの場合

そのことをわかりやすく示すために、ローラという女性のケースを挙げましょう。

彼女は10代の頃、母親から繰り返し屈辱的な言葉を浴びていました。

「太ってきたのも無理はないわね。ゆうべ、あんなにチーズケーキを食べたんですもの。ショートパンツから肉がはみ出しているわ」
「赤ちゃんの頃はあんなに可愛かったのに、どうなっちゃったのかしら」

といった言葉です。

結果として、彼女は30代で片頭痛、40歳で自己免疫性甲状腺疾患、44歳で心音に雑音、不整脈、拡張型心筋症という身体的疾患に苦しむことになりました。

トラウマ療法の重要性

このように、幼少期の経験が身体的疾患の原因となる場合、通常の治療では改善が見込めません。

トラウマに特化した心理療法が必要です。
その一つが、当ルームで最も使用しているソマティック・エクスペリエンシング®︎(SE™ )療法です。

参考図書

問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。

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