IFS療法とは、リチャード・シュワルツ博士が1980年代に提唱した心理療法のアプローチです。
この考え方では、人の心の中には複数の「パーツ(内的サブパーソナリティ)」が存在し、それぞれが独自の視点や役割を持つとされます。
主なパーツの種類
- エグザイル(Exiles):トラウマ体験や抑圧された感情を抱える、傷つきやすいパーツ。
- マネージャー(Managers):エグザイルが表に出ないようコントロールし、生活を安定させようとする保護的な役割。
- ファイアファイター(Firefighters):強い感情が噴き出したとき、過食や依存行動など衝動的な行動で「すぐに」気持ちを和らげようとするパーツ。

※このほかにも、さまざまなパーツが存在します。
そして、パーツとは別に「Self(セルフ)」と呼ばれる存在が中心にあります。
Selfは、明晰さ・思いやり・落ち着き・自信といった特性を備えた“コアの自己”であり、癒しと統合の核となります。
事例:不安型愛着障害の女性の場合
Qさん(仮名)は、職場や友人関係で常に「嫌われるのでは」と不安を抱えています。頼まれごとに「No」と言えず、次第に人付き合い自体がつらくなっていました。
これは「嫌われたくないパーツ」が強く働いている状態です。
一方で、恋人から返信が来ないと「胸がざわざわし、涙が出そうになる」と訴えます。これは「不安パーツ」です。

さらに「こんな自分は弱い、しっかりしなきゃ」という声も聞こえます。これはマネージャーパーツで、Qさんを守るために厳しい言葉を投げかけています。
ときには過食や浪費、深酒に走ることもありました。これはファイアファイターパーツの働きで、Qさんがつぶれてしまわないよう、とりあえず強い感情を鎮めようとした結果です。

カウンセリングでの展開

IFSのカウンセリングでは、これらのパーツと「丁寧に会話」していきます。
すると、その奥に長い間隠れていたエグザイルが浮かび上がることがあります。
Qさんの場合、小さな頃の記憶がよみがえりました。
「母の言うとおりにしないと、母の機嫌が悪くなり、口をきいてもらえなかった」──そんな体験が寂しさや恐怖となり、「嫌われたくないパーツ」が必死に守っていたのです。
カウンセリングの中で、QさんのSelfが「凍りついていた幼いQさん(エグザイル)」に寄り添い、救い出すことができました。
※掲載についてはご本人からの了承をいただいています。また、ご本人が特定されないように複数人の内容を一つにまとめています。
IFS療法の目的

IFSの目的は、単に「症状をなくす」ことではありません。
それぞれのパーツが果たしてきた役割を理解し、癒しと調和をもたらすことによって、内的バランスを回復し、Selfが中心となった統合的な状態へ導くことです。
そしてIFS療法はうれしいことにSE™療法ととても相性が良いとされています。
IFS療法の日本での公式トレーニングは今年6月に初めて京都で開始されたばかりなので
まだまだ扱えるセラピストは限られています。
当ルームの白潟は米国イリノイ州、IFS研究所でセラピストの正式認定を受けた花丘ちぐささんの研究所で、DEAPESTを受講中です。
問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。

