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診断名の奥にあるもの ― 愛着とトラウマの視点から③

トラウマ

第3回 大人になってから現れる影響

前述の通り、こうした環境で育った方は、周囲から見ると品行方正で問題のない大人に映ることが少なくありません。

しかしその内側では、
「自分が本当に望んでいるものがわからない」
「何を選べばよいのかわからない」
といった、言葉にしづらい苦しさを抱えていることがあります。

極端な例では、好きな色や音楽、着たい服が分からず、無難な服装や「誰からも否定されにくい趣味」を選ぶようになる方もいます。

その結果、漠然とした不全感を抱え続け、次第に意欲が低下したり、理由のはっきりしないイライラや涙に戸惑ったりすることもあります。

また、職場などで自己主張の強い人に出会うと、必要以上に圧倒されるような感覚を覚えることもあります。

さらに、それまで信頼していた親に対する感情にも変化が生じ、「会いたくない」「距離を取りたい」と感じる一方で、なぜそう思うのか自分でも分からず、混乱してしまうケースも少なくありません。

発達障害との見分けの難しさ

現在、世界的に広く用いられている精神科の診断基準には、
DSM-5(アメリカ精神医学会) や
ICD-11 世界保健機関(WHO)
があります。

これらはいずれも、一定数の項目に該当すれば診断がつく、いわばチェックリスト方式の基準です。
たとえば、複数の診断項目のうち一定数に当てはまれば診断が下される、という仕組みになっています。

発達障害と似ている症状

そのため、これまで述べてきた

  • 複雑性PTSD
  • 発達性トラウマ
  • 逆境的小児期体験(ACE)
  • 愛着の問題

を背景にもつ方の表面化した症状が、発達障害の特徴と非常によく似ている場合、診断上は発達障害と判断されることがあっても不思議ではありません。

さらに言えば、複雑性PTSDや発達性トラウマ、ACE、愛着の問題そのものを直接「治す薬」は、現時点では存在しません。

医療機関では、症状の軽減を目的として薬物療法が用いられることがあります。
「不安が強い」「衝動的な行動で困っている」「イライラが続く」といった症状に対し、診断がつくことで投薬が可能になり、当面の生活が楽になる場合もあります。

しかし、それが必ずしも根本的な背景へのアプローチとは限らないのです。

診断名が何であれ、本当に大切なのは
その人がどのような経験を重ねてきたのか
という視点です。

診断名よりも大切なこと

もし今、理由のはっきりしない生きづらさや、人との関係の難しさを感じているのであれば、それはあなたの性格や努力不足の問題ではないかもしれません。

大切なのは、診断名に安心することでも、診断名に縛られることでもなく、
これまでどのような環境や関係性の中で生きてきたのかを丁寧に振り返ることです。

当ルームでは、症状だけを見るのではなく、その方の歩んできた背景を大切にしながらお話を伺っています。

一人で抱え込まず、必要であれば専門家とともに整理していくことも、回復への一つの選択肢です。

※全3回シリーズ「第1回はこちら」「第2回はこちら

問題が解決しない方は 銀座カウンセリングルーム こころね工房へどうぞ。お待ちしています。

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